擬宝珠

擬宝珠

むかし、中国は石州というところに

張という笛の名人がいて

夏の月夜に笛を吹いていると

紫雲がたなびき

天女が降りてきました。

天女は美しい笛の音を

受け継いでくるようにという

月の宮殿の姫君からの使者でした。

天女は耳を澄まして聞き入っていましたが

天に帰ろうとした時

張は今宵の思い出に何か残してくれるよう頼んだところ

彼女は玉のかんざしを抜いて投げ与えました。

そのかんざしの落ちた辺りから咲いた花が

擬宝珠(ゆり科の多年草)

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